私が珈琲屋を志すきっかけとなったお店の話をします。
千葉県千葉市に店舗を構える、「豆NAKANO」さんです。自家焙煎の珈琲屋さんで、千葉駅のそばに焙煎所があります。その場でコーヒーも頂くことができます。
初めて訪れたのは、2013年。当時は手回しの焙煎器を使われていたと記憶しています。店内には、焙煎器のほかに小さめのエスプレッソマシンがあります。最初にいただいたコーヒーは、エスプレッソマシンで淹れたカフェラテのホット。当時、私はコーヒーの勉強を始めたばかりで、エスプレッソを扱うことに憧れを抱いていました。プロが淹れるカフェラテを飲んでみたくて、仲野さんが淹れている姿をじっと見つめていました。
「カフェラテにどんな豆使ってるんですか?」
「エスプレッソマシンってどんなのを使っているんですか?」
など、たくさん質問をしたのを覚えています。
そこで初めて飲む、プロが淹れたカフェラテ。
本当に美味しくて、これを家でも真似して淹れてみたいと思い、お豆を購入しました。
お豆はケニアの豆です。
かなり深煎りの豆で、焙煎後5日くらい経ってて、エスプレッソにするにはちょうどいいとのことでした。
そのケニアの豆、丁寧にハンドピックされてて、豆が綺麗に揃っていました。家でエスプレッソだけではなく、ハンドドリップでも淹れてみたのですが、やはりコクがあり美味しい。
この味が忘れられずに、豆NAKANOさんのコーヒーの味を求めていくようになりました。私の中の、美味しいコーヒーといえば、豆NAKANOです。
コーヒーの勉強をしてバリスタの資格を取得し、コーヒーの知識をより深めていくと、焙煎がコーヒーの味を決めていて、とても重要な工程であることを知りました。そこで、コーヒー豆の焙煎を自分でできたらと、焙煎の勉強と実践を始めました。
そうして、コーヒー豆のお店を始めようとしたときに、豆NAKANOさんが使っていた手回しロースターを使うことにしたのです。なぜなら、NAKANOさんの豆を目指したかったから。お陰で、今ではとても美味しいコーヒー、コーヒー豆を提供することができています。全てはこの珈琲屋さんとの出会いが始まりでした。目指す味、目指す珈琲屋さんがあったことはとても幸運でした。今でも、NAKANOさんの姿を追っています。
今は私の実家の近くに、2店舗目のお店も構えられていて、常に雲の上の存在ではあるものの、そばに目指す人がいることは、私にとっての生きがい、やりがいにもなっています。実家へ帰ると必ずお店に寄って、かつて美味しい思った珈琲を、今珈琲屋となった自分の舌で確かめます。
変わらない美味しさに胸を躍らせながら、自分のお店の今後の飛躍を誓うのです。
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